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INTERVIEW

日本無人航空機免許センター株式会社 中村様

OUTLINE

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JULCの講習・教育のポリシーや大切にしていることはありますか?

DJIを退職した2021年頃から、建築とか映像撮影ではドローンはなくてはならない存在になっていきました。その時、ドローンそのものを広めていくという中村の役割は終わったと感じました。

しかし、その中で色々な人に出会い、ドローン自体は知っているけれども使い方がわからない、買ったけれども棚にしまっているなど、そういうお話をすごく聞きました。それを聞いて「あ、次は教育を広げていかなければいけない。」それが結局はドローンの役立つ世の中には必要なことだなと思い、JULCをスタート致しました。

なので、弊社ポリシーはドローンを広げていくために、分からない人にも分かるように使い方を教えていくという事になります。

2D空間から3D空間へ、奥行きのあるシミュレーション体験

VR導入の背景、理由をお聞かせ下さい。

まず、既存のドローンシミュレーターではPC画面に向かいながら体験するのが一般的でした。ですが、そうすると距離感、遠近感が全然把握できない。これが既存シミュレーターの長年の課題でした。

しかし、航空法も年々厳しくなり、自由に飛ばせる場所がないという課題もあり、それをどうやったら解決できるかと長年考えていました。

そんな中でVRを見つけ、VRであれば立体感や没入感、遠近感が把握しやすい。限られたスペースでも練習ができるという利点があり、既存シミュレーターの課題を2つともクリアできると思い、VRドローンシミュレーターの導入を決意しました。

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現実とVR空間を差を感じさせない、拘り抜いた物理シミュレーション

今回のVR監修で、拘った点や特徴をお聞かせ下さい。

一番拘ったのはやはり遠近感です。その空間で飛ばしている没入感が得られるか、人間の感覚で実際その場所にいるという感覚になるか、そこがまず一点目です。

もう一点は、実際に飛ばしている機体とVR空間上で飛ばしている機体の操縦感覚に差があっては「あ、これ違うな現実じゃないな」と思ってしまいますので、止まる速さや舵を入れ始めた時の動き方などの機体挙動。こちらが非常に拘った部分になります。

JULCの講習でのご活用方法、効果についてお聞かせ下さい。

現在、一人の講師がドローンを飛ばす様子を受講者に実演する際、安全性を確保するためには一人の講師が二人の受講者を指導することが限界です。シミュレーターを使うという考え方もありますが、従来のシミュレーターはPCを用いて行うため、受講者がその場で座って画面を見ながら操作することが必要であり、これは安全上望ましくありません。

それ故、シミュレーターは別の部屋で行うことになりますが、その部屋で行われている操作を見て指導する必要があり、結局一人の講師では対応できない問題が生じます。しかし、今回のシミュレーターはMRモードを搭載しており、現実の空間を見ながらVR空間でドローンを飛ばすことが可能です。これにより、近くを飛んでいる機体に問題が発生した場合でも、迅速に対応できます。

この結果、講師はすぐ隣に立つことが可能になり、これは安全管理の面で最適な方法と言えます。一人の講師が二人の実際のドローン操作と、MR空間での二人の操作を見ることができるため、最大で四人の受講者を指導することが可能になります。これにより、指導の効率が上がり、受講者がドローンの操作により多くの時間を割くことができます。

従来の方法では、受講者が見ているだけの時間が多く、その時間は指導時間に含まれないという問題がありました。しかし、この新しい方法はその無駄な時間を減らすことができます。これこそが、このコンテンツの強みと言えます。

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体育館だけでない、現実のあらゆる飛行環境をシミュレートするVRコンテンツ

今後のVR展開について、期待している事をお聞かせ下さい。

今は国家資格のシナリオということで比較的難易度が低いものですが、実際に飛ばすのは建築現場であったり、山の中、林の中、海の上といったあらゆる環境があります。そういったあらゆる環境、業種に対応したコンテンツを作っていただければ研修ができ、実際に現場に行ったときにあまり違和感なくスタートが切れるのではないかと思っております。

今後のVRに求める機能、課題を挙げるならば、どういったものでしょうか。

ハードウェアの話になってしまいますが、やはりまだ重いと感じます。あとは稼働時間がもう少し長ければ良いなと思う場面はありました。 自分も趣味でQuest3を使用して遊んでいますが、VRで見る画面は大きく感じるので、ドローンの運行管理システムがあればPC、モニターが必要なくなるのではと未来を感じます。

生成AIやメタバースという時代の流れについてどう考えているかお聞かせください。

自動飛行の飛行経路をAIを用いてより正確に制作することが今後考えられると思います。現場の人間は何をするかといえば機体が安全に稼働するか確認するだけになってくると思います。

搭載されているカメラやセンサーが周囲のリスクをより正確に確認することによって、補助者が必要なくなり、効率化、経済性が発展していくのではないかと考えております。