株式会社IHI様と汎用旋盤作業の危険をVRで「体感」する安全教育コンテンツを共同開発

今回、株式会社IHI様と共同で汎用旋盤作業の危険を「体感」する安全教育VRコンテンツを開発しました。本コンテンツは、製造現場に潜む汎用旋盤の潜在的な危険をVRでリアルに再現し、労働災害の防止と従業員の安全意識向上に貢献します。

■ 開発経緯と期待される効果

IHI様とは、これまでも「Vプーリー点検中の挟まれ事故体験」といったVR安全教育コンテンツを共同開発し、製造現場における危険体感教育のデジタル化を推進してきました。IHIの人事部安全衛生・健康推進グループのご担当者様からは、VR体験について「こんなにリアルに怖さを感じたのは初めて」「座学とは全然ちがう」といった感想が寄せられています。
本コンテンツは、製造業において発生リスクの高い汎用旋盤作業における挟まれ・巻き込まれ事故の危険性をVRならではの臨場感で再現します。受講者はVR空間内で作業工程を体験することで、潜在的な危険箇所や不安全行動をバーチャルに体験し、災害発生を未然に防ぐための知識と安全意識を効果的に習得できます。

作業者はVR空間内で、実際の作業を体験し、潜在的な危険箇所や不安全行動を学習します

■ 特徴と機能

本コンテンツでは、より高い没入感を演出する為、体感デバイス「UNAGI」（提供：シンフォニア株式会社）を採用し、災害時の痛みをリアル且つ効果的に再現しています。

1.汎用旋盤作業中の挟まれ・巻き込まれ災害体験
　このシナリオでは、汎用旋盤の作業中に被災する危険をVRで体験します。
体験者はまず、片側の切削を終えて、反対側を削るためにパイプを反転させる際、Tレンチで緩める操作を適切な手順で行わないと被災してしまいます。また、手袋を使用しなかった場合はバリに触れて負傷し、作業受け台を置かずにパイプを外すと、パイプが脱落して挟まれ災害が発生します。
次に、パイプ反転後、段差部分に付着したバリを除去するためにヤスリを使用する際、手袋を着用したまま使用するなどの適切な操作を行わないと巻き込まれ災害が発生してしまいます。
これらの危険な行動とその結果をVRで体感することで、適切な作業方法と危険回避の重要性を学ぶことができます。適切な手順を踏んだ場合は無被災で作業完了となります。

2.汎用旋盤清掃中の巻き込まれ災害体験
　このシナリオでは、汎用旋盤の清掃作業中に被災する危険をVRで体験します。
ウエスを使ってパイプのゴミを拭き取る際、袖口のボタンの不備に気づかない場合は巻き込まれ災害が発生します。また、旋盤を停止せずに作業を行うと、回転中の旋盤に巻き込まれ被災してしまいます。
この体験を通じて、清掃作業における不安全行動が招く巻き込まれ災害のリスクをVRで体感し、安全な作業手順の重要性を学びます。適切に旋盤を停止する、袖口のボタンの不備に気づくといった正しい操作を行った場合は被災することなく作業を完了できます。