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実物主義の教育施設に
‘バーチャル’を導入した
理由とその活用方法とは(後編)

三機工業株式会社
執行役員 三機テクノセンター長 泉 和男様(中央)
三機テクノセンター副センター長 阿部 公雄様(左)
三機テクノセンターテクニカル研修室セーフティーグループ
技術エキスパート 田島 泰治様(右)

前編では教育に対する想いを熱量いっぱいに語って頂きました。後編は三機テクノセンターの
研修施設を実際にご案内頂きお話を聞く事ができました。

4段階のステップを重視した、実物主義教育

▪前半では教育に対する想いをお聞きする事ができました。実際に教育現場ではどのように実践されておりますでしょうか。

阿部様:弊社の教育は4段階に分かれています。導入、提示、適用、確認という4つのステップで教育をしています。また見て頂ければ分かりますが、施設の壁はできるだけ簡素な何もない白い壁です。受講者の興味が他に向かないように配慮しています。
弊社の安全はみだしなみから始まります。身だしなみイコール安全と思っています。弊社独自の保護具を使用しており、ここで学ぶ事ができます。

施設の中は実物台のモックアップや実際に使う安全器具、人物模型等が並べられていますが、壁には何も掲示されていないシンプルな空間が続いていました

足場や脚立、作業台を実際に見て学ぶ

阿部様:こちらが足場点検ゾーンです。様々な間違いを実際に仕込んでいます。筋交いが外れている、層間ネットが外れている等の間違いが仕込まれているのが分かると思います。
こちらでは植木鉢にヘルメットを被せて4kgの重りを落とします。
~実際に3M程度の高さから重りを落として頂きましたが植木鉢が割れません!
これで保護具の重要性を理解して頂きます。

阿部様:弊社では脚立は原則使用禁止ですが、狭い場所でどうしても使用せざるをえない時は、現場所長の許可が必要です。更に仮設工業会の認定を受けたものしか使用しません。それがこちらになります。

~実際に認定の金色のマークが貼られた脚立を見せて頂きました。ホームセンターで売られているような脚立と並べておかれており、安全性の違いが分かるようになっています。

その他高所作業車や可搬式作業台が実際に置かれており、正しい使用方法を学ぶ事ができるようになっていました。三機工業様の実物に拘る姿勢を強く感じられる施設になっています。

いよいよVR体感エリアにご案内頂きました。
普段どの様に教育を実施しているか、分かりやすく再現して頂きました。

スパイラル教育をVR体感教育の中で実践する

阿部様:こちらがVRゾーンです。4人程度のグループで体験してもらいます。体験者以外はこちらの椅子に座って見て頂きます。体験している人だけではなく、見ている方も教育を受けている状態にしていますので、4人グループであれば最低でも4回教育を実施できているという事になります。これが弊社が取り入れているスパイラル教育です。
田島様:VRは効果が高い分、転落の瞬間など、倒れてしまう方もいますので、前からしっかり支える事ができる様に配慮しています。

~実際の教育風景を再現して頂き、弊社のVRをどの様に使用頂いているか生で拝見する事ができました。VR教育だけに集中するのではなく、一連の流れ、教育ステップの中で有効活用頂いている事を実感する事ができました。

体験者以外の受講者は椅子に座って体験風景を見る事で、体験していない時間も学べる様に工夫されている。

体験者ひとりにつき、数名のスタッフが付き添い、安全に配慮した体験教育を提供している。

最終チェック、得点次第では追試も。虎の穴エリア

阿部様:今まで教育してきた事をこちらでチェックしていきます。既に見てきた内容をもう一回、実物を見て、不安全個所をチェックしていきます。こちらに70個所程度はチェック項目がありますが、得点次第では再度確認して頂くという事で、もう一周追試を受けて頂きます。

最後のチェックエリアである虎の穴エリア。ここまで学習した内容を再度多くの模型、実物を使用して最終チェックします。
一貫して最後まで繰り返し学習を取り入れ、記憶に残る教育を実践されていました。

安全に対する考え方が凝縮された取り組み「安全の樹」

阿部様:そして最後にこちら(会議室)に戻ってくる訳です。そしてこちらの壁を見て下さい。樹が描かれていますが「安全の樹」と呼んでいます。こちらに安全に対する目標を書いて頂きます。メールアドレスも記載して頂き、追ってリマインダーメールを送信しています。数か月後に思い出して頂き、そこまでで、我々の教育が完了します。

受講者ひとりひとりが安全教育に向き合うきっかけになる「安全の樹」。目標がしっかりと記されています。

安全教育の最初から最後まで、拘り抜いて完成された教育施設を隅々までご案内頂きました。
VRを始め、テクノロジーにもどん欲に取り組んでおられるのは一重に安全教育の為、
労働災害を防止するんだという強い意志の表れであると心から感じる事ができました。
三機工業株式会社、泉様、阿部様、田島様、誠にありがとうございました。

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